みなさんは焼肉と聞いたとき、何の肉を思い浮かべますか?
多くの人は牛肉や豚肉を想像するのではないでしょうか。
ところが松阪市で焼肉というと、有名な松阪牛ではなく鶏の焼肉を思い浮かべる人が少なくありません。
その理由は、松阪では鶏を焼肉で食べる文化『鶏焼き肉』が浸透しており、市民の間でとても好まれているからなんです。
松阪にオフィスを構えるサンエルも例外ではなく、この記事を書いているメディア事業部の齋藤をはじめ、鶏焼き肉が好きな社員がたくさんいます。
そこで、今回は東京から松阪に移り住み、大の鶏焼き肉好きになったサンエルの社員である野本にインタビューをしました。
サンエル社員おすすめの鶏焼き肉が食べられるお店も紹介するので、松阪に来た際には、ぜひ鶏焼き肉を食べてみてください。
【はじめに】松阪の鶏焼き肉とは?
松阪といえば松阪牛が全国的にも有名ですよね。
実際、松阪市内には松阪牛の精肉店だけでなく、焼肉やステーキなどを提供しているお店が何軒もあります。
ではなぜ牛だけでなく鶏の焼肉が松阪で浸透しているのでしょうか?
松阪の鶏焼き肉がうまれた背景を簡単に紹介しますね。
昭和の時代、松阪市には卵を産む鶏を飼っている農家が多く、いつからか卵を産まなくなった鶏の肉を、味噌ダレに絡めて網の上で焼く習慣ができました。
やがてそれを「鶏焼き肉」として提供する店が増えたことが、松阪の鶏焼き肉文化の始まりといわれています。
松阪の鶏焼き肉ってどんな食べ物?
松阪の鶏焼き肉は、ただ鶏肉を焼くだけではありません。
もちろん塩で焼くこともありますが、赤味噌中心の甘辛い濃い味噌ダレと鶏肉をからめて網の上で焼いたものを「松阪の鶏焼き肉」と呼ぶことが多いです。
一般的なのは若鶏のもも肉やむね肉ですが、店によっては親鶏やせせり(くび)、ハラミ、皮、ボン尻、砂肝、肝(レバー)、心臓など豊富な部位が提供されています。
しかも松阪には鶏焼き肉専門で、牛肉や豚肉を置いていない焼肉屋もたくさんあります。
鶏焼き肉は松阪の食文化のひとつとして、たしかな地位を築いているのです。
鶏焼き肉との出会いや魅力について語ってもらいました!
野本:松阪に引っ越してきたのは8年くらい前なので、しっかりと覚えてはいないんですが、一番最初に鶏焼き肉を食べたのは脇田屋だったと思います。
そもそも東京には、鶏肉に味噌ダレをつけてから網の上で焼くという食文化がないんですよ。
私はもともと鶏肉も味噌も好きだったので、はじめて鶏焼き肉を見たときは「最強の組み合わせの食べ物がある!」って思いましたね。
そして私が鶏好きということで、社長たちがいろいろな鶏焼き肉の店に連れて行ってくれたんです。
これが、私の好きな食べ物に鶏焼き肉が加わった経緯ですね。
松阪に来たからこそ鶏焼き肉と出会えた
野本:そもそも松阪を出ると鶏焼き肉の店ってあまりないんですよね。
今でこそメディアに取り上げられたり、B-1グランプリ出場で知名度が上がったことで、松阪以外、それこそ東京で松阪の鶏焼き肉が食べられる店もあります。
でも以前はあくまでメインは牛肉で、鶏肉はメニューのひとつとしてさりげなくある程度だったと思います。
だから私は東京にいたころは、鶏の焼き肉自体に馴染みがなかったですね。
また、塩や醤油ダレではなく、味噌ダレで焼くというのも松阪の特色だと思います。
それに以前は松阪といえば松阪牛のイメージがありました。
でも車で市内を移動しているとき、一般的な牛肉メインの焼き肉屋と同じ頻度で鶏焼き肉の店を見かけるので、本当に松阪の食文化として定着していることを実感します。
鶏焼き肉の魅力とは?
野本:鶏焼き肉は味噌ダレと鶏肉の相性がバツグンで、白米によくあいます。
しかも鶏肉だからコスパがすごくいいんですよ。
店にもよるけど、1人前が400円から高くても500円くらいかな。
それにもも肉やむね肉だけじゃなく、お店によってはせせりや肝、ハラミなど色々な部位が食べられるのも魅力のひとつです。
特にせせりは松阪に来てはじめて食べたけど、すごく美味しくて「こんなものがあるのか!」って衝撃を受けましたね。
せせりを食べたことがないのなら、松阪にきて鶏焼き肉を食べるときに必ず食べていって欲しいです。
鶏焼き肉を美味しく食べる楽しみ方
野本:まず塩かタレかでいったら味噌ダレ一択です。
ただ、せせりに関してはせせり自体に脂があるので、塩コショウで焼いてレモンを絞ってビールと一緒に食べるのもおすすめですよ。
でもやっぱり基本的には味噌ダレですね。
店によってはタレを選ぶと、ニンニクを入れるか入れないか聞かれるので、その場合はニンニク入りにしています。
肉が焼けたらもう一度タレをつけ、白米と一緒に食べます。
鶏焼き肉は本当にご飯が進むのでお酒よりもご飯を注文するのがおすすめです。
野本:焼き野菜は頼まないけど、野菜スープがあったら頼みますね。
例えば前島食堂にある「とり野菜」という白味噌仕立てのスープが美味しいです。
松阪の鶏焼き肉屋は、揚げ物や鶏刺しなどのサイドメニューが豊富な店も多いので、色々な鶏料理を楽しめますよ。
鶏焼き肉を美味しく焼く手順
ステップ1:お肉と味噌ダレを混ぜよう
まずはお皿に味噌ダレがかかっている状態でお肉がくるので、焼く前に肉と味噌ダレを混ぜましょう!
お肉と味噌ダレをしっかりと絡ませるのがポイントですよ。
ステップ2:お肉を網に並べよう
牛の焼き肉の場合は少しずつ焼くイメージですが、鶏焼き肉はぎっしりと網の上に並べるイメージです。
供給がなくならないように、ひたすら網の上に鶏肉を並べます。
ステップ3:お肉を焼こう
火が通ってきたら、ひっくり返して反対側の面も焼きましょう。
タレがついているから皮などが焦げやすいので注意してくださいね。
ステップ4:焼けたものから食べよう
サイズが大きなかたまりは中まで火が通っているのか少しわかりづらいので、焼き加減はしっかり確認しましょう。
中まで火が通っていたら、つけダレをつけてからいただきます。
甘辛い味噌ダレと香ばしく焼けた鶏肉、そして白米との相性はバツグンですよ。
サンエル社員が厳選!おすすめの鶏焼き肉屋6選
松阪の鶏焼き肉屋は駅から遠かったり、バスが通っていない場所にあることが多いので、地元の人には人気だけど、観光のついでに立ち寄るという人は少ないかと思います。
でもだからこそ、地元の人がおすすめする美味しい鶏焼き肉が食べられるお店を知って欲しいのです。
そのために、サンエルの鶏焼き肉好きの社員たちが選んだ、おすすめのお店6軒を表で簡単に紹介し、その中から詳しく3軒を紹介しますね。
駅に近く、電車で松阪を訪れた人が気軽に行けるお店もあるので、ぜひ参考にしてください。
店名 | 食べられる鶏焼き肉 | お店の特徴 |
新家 | 若鶏、むね肉、親鶏、せせり、肝、砂肝、皮、ハラミ | 取り扱っているお肉が新鮮で種類も豊富 店内でお肉の販売もしている |
前島食堂 | 若鶏、めす、肝、せせり | タレが美味しい 白味噌仕立てのとり野菜スープがおすすめ |
とり壺 | 若鶏、せせり、ハラミ、肝、砂肝、皮 | サイドメニュー、特に鶏刺しの種類が豊富 |
あぐにぃ | 若鶏、せせり、ボン尻、砂肝 | 徳和駅から徒歩3分 せせりが大きいのとキムチが美味しいのが特徴 |
のぼやん | もも肉、むね肉、親鶏、せせり、皮、肝、砂肝、軟骨、ボン尻、ソリレス | 松阪駅から徒歩2分 揚げ物や鶏刺しなどのサイドメニューが豊富にある |
脇田屋 | 若鶏 | 松阪駅から徒歩15分 松阪牛をメインで取り扱っている |
新家(しんや)
まずひとつ目のおすすめのお店は、先ほどのお肉を焼く手順でも写真を使った新家です。
新家はなんといってもお肉が新鮮で種類も豊富です。
オーソドックスな鶏焼き肉だけでなく、ハラミや親鶏、砂肝なども食べてみたいなら新家がおすすめです。
つけダレの味が濃いので、白米とよく合うのも特徴です。
店内でお肉やタレの販売もしているので、自宅でも新家の味を再現できますよ。
また、店舗が広くてきれいで席数も多く、網の真上に排煙フードが設置されているので、煙たさや匂いがあまり気になりません。
営業時間:月~金 11時~14時、17時~21時
土・祝 11時~21時
定休日:日曜日
のぼやん
次におすすめしたいのはのぼやんです。
のぼやんは鶏焼き肉の種類だけでなく、揚げ物や鶏刺しなどのサイドメニューも豊富です。
鶏焼き肉や鶏のから揚げ、鶏刺しを同時に楽しみたいのならのぼやんがおすすめです。
また、松阪駅から徒歩2分の場所にあるので、観光のついでに気軽に行けるのも魅力的ですね。
営業時間:11時~14時、17時~22時
定休日:日曜日、月曜日のお昼
脇田屋
鶏肉ではなく牛肉がメインの焼き肉屋ですが、脇田屋もおすすめしたいお店のひとつです。
脇田屋は伝統の味噌ダレと鶏もも肉の相性がバツグンで、サンエルの社員が鶏焼き肉ばかり食べてしまうほどです。
松阪名物の松阪牛と鶏焼き肉を同時に楽しみたい人におすすめですよ。
松阪駅から徒歩15分ほどなのもポイントです。
営業時間:11時~22時
定休日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
最後に
鶏焼き肉は昔から市民に親しまれている松阪のソウルフードです。
鶏肉や味噌が好きな人はもちろん、それ以外の人にも自信を持って「美味しい」とおすすめできる料理ですよ。
また、松阪には鶏焼き肉のほかにも松阪牛や銘菓「老伴(おいのとも)」などのグルメ、松阪城跡や御城番屋敷などの観光名所もあります。
三重県に来たときは、ぜひ松阪にお立ち寄りください!