
サンエル社員の上田さんは、三重県内のある自治体で、地域活性化起業人として関わっています。
この取り組みは自治体との協定のもとで進められており、庁内でのデジタルツールの活用について、日々の業務の中で職員の方々と相談や確認を重ながら進められています。
上田さんはツールの使い方に加えて、業務の流れの中に入りながら、日々どのように業務が進められているかや現場の状況についても丁寧に対話を重ねています。
その中で感じられるのは、「困っている感覚はあるものの、それがはっきりと言葉にされていない」場面が少なくないということです。
そのため、何かを一方的に導入するのではなく、日常の中で気軽に相談できる関係をどのようにつくっていくかが大切にされています。
15分相談カードは、職員が短い時間でも気軽に相談できるように用意されたカードであり、そうした関係づくりを支える工夫の一つとして、日常のやり取りのきっかけにもなっています。
現場に入りながら、上田さんが見ていること
日々の業務の中で、実務の流れを一緒にたどっている
上田さんは、研修や個別相談の場だけでなく、日常業務のやり取りの中にも入っています。
その中で大切にしているのは、日々の業務の中に潜む小さな迷いに目を向けることです。
何気ないやり取りの中で生まれる「少し気になる点」や「判断に迷う瞬間」を見逃さず、実務の流れに沿って一緒にたどっていきます。
その中で、「どのタイミングで迷いやすいのか」「どこで手が止まりやすいのか」といった点にも目を向けています。
こうした関わりの中で、結果だけでなく、その過程にあるつまずきにも目が向けられています。 日々の業務の中で生まれる小さな引っかかりについては、対話を重ねながら職員と一緒に整理しています。
一方的に指摘するのではなく、やり取りを通じて理解を深めていく関わり方が続けられています。
日常の中にある小さな迷いに目を向けている
現場では、業務全体が大きく滞っているという認識が強く持たれていない場合も少なくありません。
一方で、「少し時間がかかる」「調べながら進めている」「人によってやり方が異なる」といった場面は、日常的に見られます。
こうした一つひとつは大きな課題として扱われにくいものの、積み重なることで業務の進めづらさにつながっている可能性があります。
上田さんは、そうした小さな違和感を見過ごさず、現場で拾い上げていきます。
それらを無理に整理したり結論を出したりするのではなく、対話の中で少しずつ共有しながら、どのような工夫ができるのかを一緒に探っています。
日々のやり取りの中で、業務の進め方についても少しずつ話が広がっていく場面があります。
研修の学びは、業務の中でどのように使われていくのか
研修で得た知識と、実務での使いどころには違いがある
研修を通じて、WordやExcelの基本的な操作については理解が進んでいます。
一方で実務では、資料作成やデータ整理の中で「どの機能をどのように使えばよいか」と迷い、手が止まってしまうことも少なくありません。
操作そのものというよりも、自分の業務の中でどう使うかを考える場面で迷いが生じやすいようです。
こうした場面は少なくなく、学びと実務の間にギャップが感じられることもあります。
学びを実務につなげる関わり方が、現場の中で模索されている
研修は理解のきっかけとして大切な役割を果たしていますが、それだけで日常業務に十分活かしきるのは難しい場面もあります。
そのため、学んだ内容を実務の中でどのように使っていくかについて、継続的にやり取りできる環境づくりが現場の中で模索されています。
上田さんも、日々の業務の中で気軽に相談できる関係の大切さを感じながら関わっています。
15分相談カードは、そうしたやり取りを日常の中で生み出していく工夫の一つとなっています。
15分相談カードは、どのように相談のきっかけになっているのか
「少しだけ聞く」ことを後押ししている

日々の業務の中では、「長く時間を取るほどではないが、少し確認したい」と感じる場面があります。
そうしたときに、「15分だけでも相談してよい」という前提があることで、相手に声をかけやすくなります。
また、内容を整理しきれていなくても、その場で抱えている疑問をそのまま持ち寄ることができます。
こうした小さなやり取りが重なることで、特別な機会を設けなくても、日常の中で自然に相談が生まれやすくなっています。
手元にあることで、思い出せるきっかけになっている
相談できること自体は共有されていても、実際の業務の中ではタイミングを逃してしまうこともあります。
その点、紙のカードとして手元に残ることで、ふとした瞬間に思い出しやすくなります。デスクや手帳に入れておけるため、業務の合間に自然と目に入ります。
こうした存在が、「困ったときに誰に聞けばよいか」を思い出すきっかけにもなっています。
人を介して広がり、相談の入り口になっている
このカードは個人で使うだけでなく、他の職員に見せたり渡したりする場面も生まれています。
「この内容なら聞いてみるとよいかもしれない」といった形で、相談のきっかけが人から人へとつながっていきます。
その中で、「相談してよい相手がいる」という認識も少しずつ共有されています。
さらに、WordやExcelの講習とあわせて配布することで、どのような内容を相談できるのかのイメージもしやすくなり、相談のきっかけが生まれやすくなっています。
相談しやすさは、どのように生まれているのか

日々の中で、相談できる状態が少しずつ生まれている
日々の業務の中で分からないことがあったとき、気軽に声をかけられる相手がいることで、一人で抱え込まずに進められる場面もあります。
また、「誰に聞けばよいか」があらかじめ共有されている状態は、業務を進めるうえでの安心感にもつながっていると感じられることがあります。
特別な取り組みを設けるのではなく、日常の中で自然に生まれるやり取りを大切にしながら関わっています。
関係性は、日常の中の小さな工夫によって支えられている
「相談してよい」という状態は、言葉だけで伝えても広がりにくいことがあります。そのため、思い出しやすさや声をかけやすさといった観点から、小さな工夫が日々重ねられています。
15分相談カードもその一つであり、日常のやり取りの中で使われることで、関係性を支えるきっかけになっています。
こうした積み重ねによって、相談しやすい空気が少しずつ形づくられているようです。
まとめ|日常の中で生まれる、小さな相談の積み重ね
上田さんは、三重県内のある自治体で、職員との日々のやり取りを重ねながら関わっています。
その中で見えてくるのは、大きな変化というよりも、日常の延長線上で小さな疑問をきっかけにやり取りが生まれている様子です。
15分相談カードは、そうしたやり取りを後押しする工夫の一つとして、日常の中で使われています。
また、この取り組みはカード単体で完結するものではなく、Word・Excel講習とあわせて進められています。後編では、その入口となるWord・Excel研修の考え方と実践について紹介します。
