地方のDX

自治体DXは“研修して終わり”では進まない ーWord・Excel研修から始まった現場伴走支援とはー

自治体DXというと、システム導入やクラウド化など、大きな取り組みが注目されることも少なくありません。

一方で、現場ではWordやExcelを使った資料作成や集計作業など、日々の業務に多くの時間が使われていました。

そうした日常業務の中で見えてきた困りごとをきっかけに、Word・Excel研修の取り組みも進んでいきました。

ただ、研修中は理解できても、実際の業務へ戻ると「自分の業務でどう使えばよいか分からない」と感じる場面も少なくありません。

今回は、現場との関わりの中で見えてきた課題や、研修後のやり取りを通じて広がっていった取り組みについて紹介します。

上田
自治体でのDX推進や業務改善のヒントとして、少しでもお役立ていただければ嬉しいです。

なぜ、Word・Excel研修だったのか

こちらの自治体では、日々の業務の中でWordやExcelを使う場面が多くありました。

資料作成やデータ整理、集計作業など、日常業務を進めるうえで欠かせないツールになっていたためです。

一方で、操作方法やファイル管理の進め方には個人差もあり、業務の進めやすさに違いが出る場面もありました。

そうした背景もあり、Word・Excel研修の取り組みが進められていきました。

日々の業務の中で、少しずつ負担が積み重なっていた

上田
Excelの操作そのものより、“誰かしか分からないファイル”が増えてしまうことの方が、現場では大きな負担になっていました。

現場では、職員ごとにWordやExcelの習熟度や作業の進め方に違いがあり、同じ作業であっても進め方や作業時間に差が出る場面がありました。

そのため、日々の業務の中で少しずつ負担につながっているケースもあったようです。

また、手入力や目視での確認、過去ファイルを使った資料作成なども日常的に行われていました。

そのため、書類作成や集計業務では細かな修正や確認作業が発生しやすく、ちょっとした手戻りが繰り返される状況も少なくありませんでした。

さらに、ファイルの作り方や管理方法が担当者ごとに異なっていたことで、必要なファイルを探すのに時間がかかったり、内容確認に手間がかかったりすることもありました。

こうした状況の中で、特定の担当者へ確認が集まりやすくなる場面もあり、引き継ぎの難しさにつながることもあったようです。

現場で見えていたのは、“操作”だけではない悩みだった

日々のやり取りの中では、職員の方からWordやExcelに関するさまざまな悩みが聞かれていました。

毎回同じ作業に時間がかかる」「ファイルの扱い方が人によって違う」「もっと進めやすくできないか」など、日常業務の中で感じている困りごとは少なくありませんでした。

また、前任者が作成したファイルの意図を読み解きながら業務を進めたり、毎月の集計作業を手作業で行ったりする場面もありました。

こうしたやり取りを重ねる中で、日々の業務を支えるWord・Excelの使い方が、現場にとって大きなテーマのひとつになっていることも見えてきました。

そうした関わりがある中で、Word・Excel研修の取り組みも進んでいきました。

その際に重視されていたのは、単に操作方法を学ぶだけではなく、「実際の業務でどう使うか」までイメージできる内容にすることです。

たとえばWordでは、通知文や報告書などの日常的な文書作成を進めやすくする使い方、Excelでは集計やデータ整理など、実務に直結する内容が取り上げられていました。

また、現場でのやり取りを重ねる中で、研修だけでは解消しきれない悩みがあることも少しずつ見えてきました。

「研修中は理解できても、実務に戻るとどう活用すればよいか迷ってしまう」

そうした場面があったからこそ、研修後の相談や実務に合わせたやり取りの重要性も意識されるようになっていきました。

研修内容を、実務の中で活かし続ける難しさもあった

研修直後は「理解できた」と感じていても、実際に業務へ戻ると手が止まってしまう場面が少なくありませんでした。

特に、WordやExcelでは基本操作を学ぶだけでは、実際の自治体業務にそのまま結び付けることが難しいケースもあります。

そのため、実務では単に操作を覚えるだけではなく、自分たちの業務に合わせながら少しずつ使いこなしていく必要がありました。

「理解した」と「使える」の間にはギャップがある

上田
研修中はできても、実際の業務に戻ると“自分の業務ではどう使えばいいんだろう?”で止まってしまうことは多いです。

研修中は操作方法を理解できていても、実際に自分の担当業務へ置き換えた途端に、どう活用すればよいか迷ってしまう場面がありました。

操作自体はできても、「自分の業務ではどう使うのか」まで結び付けることは簡単ではなかったのです。

また、自治体ごとに書式やルールが異なるため、学んだ内容をそのまま適用できないケースも少なくありません。

同じWordやExcelを使う業務であっても、現場によって求められる対応には違いがあります。

日々の業務に合わせて活用方法を考えながら、少しずつ使いこなしていく必要がありました。

「理解した」と「実際に使える」の間には、想像以上に大きなギャップが存在していました。

現場では、マニュアル通りにいかない場面が起きていた

たとえば、同じExcelの操作であっても、担当する業務内容によって使い方が大きく変わることがあります。

入力作業が中心の業務もあれば、集計や資料作成を求められるケースもあり、必要なスキルには違いがありました。

また、WordやExcelは単なる“作業ツール”として使うだけではなく、“業務を進めるための手段”として活用することが求められていました。

そのため、機能を覚えるだけではなく、「どのように使えば業務が進めやすくなるのか」を考えながら取り組む必要があったのです。

実際の現場では、状況に応じて柔軟に対応しなければならない場面も少なくありませんでした。

だからこそ、マニュアル通りの知識だけでなく、実務に合わせて応用していく力も重要になっていました。

現場と関わる中で、“研修後”の重要性も見えてきた

上田さんが日々現場と関わる中で感じていたのは、研修を実施するだけでは、実務の中で使い続けるところまでつながりにくいということでした。

実際に現場では、Excelを使った集計業務の見直しや、文書管理・業務フローに関する相談など、研修後にもさまざまなやり取りが行われていました。

このやり取りの中で、単に操作方法を伝えるだけではなく、「今ある業務をどう進めやすくするか」を一緒に考えることの重要性も見えてきたのです。

その中で活用されていたのが、「15分相談カード」でした。

上田
“相談していいんだ”と思えるだけで、現場って少し動きやすくなるんです。

15分相談カードについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。

研修と相談のやり取りが、実務につながっていった

研修では、WordやExcelの基礎知識や基本操作を学びながら、日々の業務に活かすための土台づくりが進められていました。

一方で、実際の業務へ戻ると、「この作業をもっと進めやすくしたい」「この操作がうまくいかない」といった具体的な悩みも出てきます。

そうした相談に対して、実務に合わせながら一緒に整理していくやり取りも少しずつ増えていきました。

また、15分相談カードの取り組みもあったことで、「ちょっと聞いてみたい」と感じたタイミングで相談しやすい空気も少しずつ広がっていきました。

基礎を学ぶ場と、実務に即して課題を解決する場が重なっていくことで、学んだ内容を現場で活かしやすい環境づくりにつながっています。

実績紹介はこちら

サンエルでは、自治体向けの業務改善支援や教育DX支援など、現場に合わせた伴走型支援も行っています。実際の取り組み事例については、こちらもぜひご覧ください。

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小さな相談が、実務で試してみるきっかけになっていった

研修後に現場で業務を進める中では、「実際にやってみたらうまくいかなかった」「自分の業務ではどう使えばよいか分からない」といった声が上がることもあります。

そうした小さな疑問を、そのまま相談につなげられる環境も少しずつ広がっています。

特に、15分相談カードは大きな役割を果たしています。

ちょっとした悩みや不明点でも、「相談してもいい」と感じられるきっかけになっているためです。

小さな疑問でも相談しやすくなったことで、学んだ内容を実務の中で試しやすくなっているようです。

こうしたやり取りが、学んだ内容を実務の中で活かしていくきっかけにもつながっています。

「ちょっと聞いてみよう」が、現場の変化につながっていく

日々の業務の中で、「これ、少しやりづらいな」「もう少し進めやすくならないかな」と感じる場面は少なくありません。

そうした小さな困りごとに対して、まずは気軽に相談してみようという空気が、少しずつ現場に広がってきています。

相談できる環境が生まれたことで、日々の業務改善にも変化が見られるようになってきました。

また、庁内での理解促進や取り組みのきっかけづくりを目的に、職員向けコラム「DX通信」も定期的に配信しています。

DX通信では、実際の改善事例や活用したツールが紹介されており、他部署でも「自分たちの業務でも相談できそう」と感じるきっかけになっているようです。

小さな相談が、日々の業務改善につながっていた

相談のきっかけとなっていたのは、Excelの集計や資料作成といった日常業務の困りごとでした。

「毎回手作業で時間がかかる」「ミスが起きやすい」といった悩みを相談することで、業務の見直しや改善につながっていったのです。

実際に、作業時間の短縮や入力ミスの削減につながる改善も少しずつ生まれていました。大きな改革ではなくても、小さな工夫によって日々の負担が軽くなるケースは多くあります。

こうした取り組みを通じて、「まずは相談してみよう」と思える空気も徐々に広がっていきました。気軽に声を上げられる環境が、次の改善のきっかけにもなっています。

現場ごとの課題に合わせた支援も広がっている

支払い処理やタクシー関連業務など、部署ごとに異なる困りごとへの対応も進められていました。

一律の研修では拾いきれない課題に対して、それぞれの実情に合わせながらやり取りを重ねていったことで、実務の中でも活用しやすい形につながっていったようです。

また、「現場に合った形で進められる」という安心感も、継続的な相談や改善につながっていました。

改善事例の共有が、他部署の行動変化にもつながっている

各部署で生まれた改善事例は、DX通信などを通じて共有されています。

実際の取り組みを知ることで、「自分たちの業務でも相談できそう」と感じられる場面も少しずつ生まれています

また、小さな改善事例の共有が、部署を越えた相談や新たな取り組みのきっかけにもつながっています。

こうした積み重ねによって、相談しながら改善を進めていく空気も、少しずつ組織全体に広がり始めています。

現場と関わる中で見えてきた、“使い続けられる環境”の大切さ

上田
DXというと、特別なシステムを導入することをイメージされがちですが、実際には「困ったときに相談できる状態」をつくることも大切だと感じています。

Word・Excel研修を通じて見えてきたのは、「研修を実施すること」そのものが目的ではないということでした。

実際の業務の中で、「これなら使えそう」「少し試してみよう」と思える状態を、日々のやり取りの中で少しずつ作っていくことが大切だったのだと思います。

その中で、研修後の相談や15分相談カードを通じたやり取りも、現場で学んだ内容を試してみるきっかけのひとつになっていました。

また、「まず相談してみよう」と思える空気が少しずつ広がっていったことで、小さな改善や工夫も生まれやすくなっているようです。

DXは、一時的なシステム導入だけで完結するものではありません。

日々の業務の中で感じる小さな困りごとに向き合いながら、実際に使い続けられる形を少しずつ増やしていくことも、自治体DXの大切な一面なのではないかと感じています。

今回の取り組みを通じて、自治体DXは大きな変化だけではなく、現場での小さなやり取りや積み重ねの中から、少しずつ形になっていくものでもあることが見えてきました。

上田
サンエルでは、現場に合わせたDX支援を行っています。「まず何から始めればいいか整理したい」という段階から相談可能です。詳しくは、こちらをチェックしてみてくださいね。

レミ-上半身横向き
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