MieLでエンジニア目線の技術を紹介したい!と思い、システム開発部長の菅野に相談したところ、「最近よく聞かれる質問がある…」とのこと。
その質問は「地方のエンジニア採用ってどうされているのか?」「採用した人をどう教育しているの?」というものでした。
とくに地方企業ではエンジニアの採用に困っている企業や、採用後の教育方法が分からない、などの問題を抱えているとことが多いようです。
そこで、サンエルで行っている採用方法や、教育で大切にしていることを紹介しようと思い、菅野にインタビューしました!
今回の記事では、実際サンエルでどのような採用をしているのか、教育で大切にしている4つのこと、教育立場である菅野の思いなどを含めて解説していきます!
地方でのエンジニア採用の現状
2020年1月から急速に拡大していった新型コロナウイルス感染症。
感染症の影響でエンジニアの必要性が上がっているのはもちろんですが、実際にエンジニアの価値が上がったのは、新型コロナウイルス感染症が流行するもっと前です。
システム会社だけでなくても、エンジニアが欲しいと思っている会社が増える中、エンジニア採用ができない、と悩む会社も多くあります。
ネームバリューがある会社は、求人を出しても応募が来ますが、特に地方企業が採用に困っているというのが現状。
実際に地元就職では、誰かの紹介や人とのつながりから採用になるパターンが多いとよく聞きます。
では、地方企業であるサンエルがどのような採用を行っているか、ご紹介していきますね。
サンエル流|エンジニア採用での戦略
―――サンエルの採用について、具体的に教えてください。
菅野:サンエルのエンジニア採用は、一般的な採用基準や流れとは少し違っているんです。
基本的には面接を行い、2週間~1か月お試し期間として体験してもらいます。
サンエルは、コミュニケーションが苦手、昼間に仕事ができない、など一般的な会社とマッチしずらかった人も働きやすい環境なので、いろんなタイプのエンジニアを採用しています。
一人ひとりの性格や特性に合わせて、色んな働き方で負担なく仕事ができるのも採用戦略のひとつです。
話すのが苦手な人は、無理にお客様対応はせず社内での開発業務に集中してもらい、お客様対応は会話が得意な人が行うスタイル。
業務時間もフレックス・フルリモート制を活かして働きやすい時間帯で作業をしてもらうなど、適正にあった仕事内容を大切にしています。
また、自分の苦手な部分やマイナス面を分かっている人は、自分のことをよく理解しているため、とても意識の高いメンバーが多いんです。
実際、吸収力やモチベーションが高いエンジニア達が、サンエルでは大活躍しています。
エンジニアを育てるのに大切な4つの教育
次に採用してから大切な教育方法について行っている取り組みを紹介します。
サンエルが徹底している取り組み
- 綺麗なコードを書けるように教育
- 全国基準のシステムを作れる人材をつくる
- 基礎を重要視した教育
- 失敗はたくさんしよう!マインド
1.綺麗なコードを書けるように教育
―――そもそも綺麗なコードとは何ですか?
菅野:綺麗なコードとは何かというと、文章と同じように「人に読みやすい」コードのことを指します。
コードはプログラム言語、つまり言葉と同じなので不要な文字が入っていたり、冗長な表現があったりすると、コードを書いた人以外、他の人が内容を理解できないという問題が発生します。
それを防ぐために、誰が見ても何を示しているのかが分かる「綺麗なコード」を書けるようになることは最も大切です。
しかし、みんながあたりまえに書けるわけではないのが現状です。
とくに独学や、一人で開発していると、他人に見られることがないので自分の書きやすい独自のコードになってしまい、後々他の人が読めないことが多々あります。
―――コードが読めないとどのようなことが起きるのですか?
菅野:中小企業や地方企業などで、社内システムが壊れた際、もともと開発したエンジニア以外、誰もコードが読めず、復旧できないというケースもよく聞きます。
2025年には、今の会社に現役でシステムをつくっている人がいなくなり、メンテナンスやシステムの管理ができなくなるといわれています。
これは「2025年の崖」といわれていて、今後システム改修や機能追加などDX推進をするときの課題となっているんです。
このままだと、今使用しているシステムが維持できなくなったり、新しく機能の追加も難しくなってしまいます…。
このようなシステムの中身が分からないブラックボックス状態を解消できないと、デジタル競争では勝ち抜いていけないと、経済産業省(※)も発表しているんです。
なのでサンエルでは、社内で誰でも分かるコードを書けるよう、可読性・保守性・拡張性を意識したコーディングの教育は徹底しています。
おすすめ書籍
※ DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート ~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~ より
2.全国基準のシステムを作れる人材をつくる
―――サンエルではどのようなエンジニアの育成を目指しているのですか?
菅野:サンエルでは、全国基準の最先端技術にも触れてもらうことを、大事にしています。
サンエルは三重県の地方にある中小企業ですが、在籍するエンジニアには高いスキル習得を要求しており、それはサンエルから外に出たときに恥ずかしくない人材になってほしいという思いが根底にあるからです。
そしてサンエルのエンジニアには、お客様からのご要望に対して、充分に応えられるスキルを備えてもらいたいんです。
技術力の高いエンジニアは、どうしてもより労働条件や報酬の良い大企業や都市部へ集中する傾向があります。
サンエルは三重県の地方企業ですが、普段から意識的に最先端の技術を触れることで、どの会社でも通用するエンジニアになってもらうために、人材育成に力を入れています。
3.基礎を重要視した教育
―――技術的なことを教えるために気を付けていることはありますか?
菅野:基礎的な知識やスキルを重要視しています。
パソコンはなぜ動くのか、メモリやハードディスクとは何か?チャットを送ったらなぜ見れるのか?といった仕組みを知らなくても、業務さえ覚えれば作業はできます。
たしかに、「とりあえずこの業務ができるようにならば良い!」という教え方をすると、「戦力になるのが早い」というメリットはあります。
ですが、それでは応用力がない人になってしまいますよね。
多少回り道でも、ハードウェアやプログラミングのしくみといった基礎を教えることが必要なんです。
サンエルの新人エンジニアは、出社してから2週間はお試し期間として、パソコンを分解して元に戻したり、開発環境のセットアップしたり、先輩エンジニアの開発の様子を実際に目で見て基礎を学ぶ、といった取り組みを行っています。
また、社内にある書籍は読んで順次勉強することと、基本情報技術者試験を取るようにと伝えています。
ただ、基本情報技術者試験については、合格が目的でありません。単に資格を取得したら良いわけではなく、試験勉強によって、ひと通りのITの基礎を学んでもらうことが目的です。
まずは基礎を!サンエルでは仕組みを知ることを大切にしています。
4.失敗はたくさんしよう!マインド
―――技術的なこと以外で大切にしていることはありますか?
菅野:基礎や綺麗なコードを教える以外に、教育の中でもっと大事にしているのがあります。
それは「失敗をおそれるな!」ということ。
たくさん失敗してきなさいと伝えています。
失敗を経験する狙いとしては、「実感」してもらうためです。
人から言われても自分ごとにはならないので、失敗を通して学び、自分のスキルを向上させてほしいという思いがあります。
サンエルでは失敗から学ぶために、お客様向けに開発した(納品した)ツールを社内で使用しています。
実際、自分で使ってみることで欠点や改善点がみつかり、それらを管理をしていくことでスキルを磨いていくのです。
―――他にも何か大切にしていることはありますか?
失敗をすることと同じくらい大事にしていることは、スケジュール(納期)についてです。
わたしは基本的に、スケジュール(納期)が遅れても、部下に怒ることはありません。
それは、納期が間に合わないのはスケジュールを組んだ組織長にも責任があると考えているからです。
なので、スケジュールが遅れそうなら事前に相談すること、最大限間に合う努力はすること、この二つは必ず守っていれば納期については厳しくしていません。
これを徹底することで、納期を守るために休養や睡眠時間を削ったり、間に合わない恐怖感で委縮したりと、心身ともにつかれるのを防ぐことができます。
結果として、製品クオリティを落とさなくて済みます。
まとめ|サンエルのエンジニア採用と教育
ここまでサンエルのエンジニア採用と教育について紹介いたしました。
地方IT企業であるサンエルの取り組みが、すこしでも参考になれば嬉しいです。
わたしもインタビューをする中で、エンジニア一人ひとりに寄り添い、教育している菅野の思いも知ることができました。
また良いものをつくるために協力していくこと、相談することの大切さもインタビューを通して学ばせていただきました。
他にもエンジニア同士のコミュニケーション方法や、働く中で大切にしていることなど、いろんなお話がきけたので、また記事にして紹介したいと思います!
過去にもエンジニア関係の記事を載せているので、ぜひご覧ください。
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