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学習管理アプリ「Studyplus」に学ぶデータ活用の本質

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「データ活用って自分には難しい」「きっと関係ない話だろう」。

そう感じてしまうのは、ごく普通のことです。

「業務をよくしたい」と思っていても、最初の一歩が分からないまま立ち止まってしまう。

多くの企業で、同じような「最初のつまずき」が生まれています。

しかし視点を少し変えると、私たちはすでに日常で自然に“データ”を使って判断しています。

たとえば、健康管理アプリの歩数を見て「今日はもう少し動こう」と考える。渋滞情報を確認して別ルートを選ぶ。買い物アプリの“おすすめ”から商品を決める。

家庭でも、我が家の中高生はStudyplus(以下、スタディプラス)の学習記録を確認しながら、日々の勉強に取り組んでいます。

高校生入作業中

Studyplus

Studyplus(スタディプラス)は、日本の スタディプラス株式会社(Studyplus Inc.) が提供するサービス。日々の学習内容や時間を記録し、可視化されたデータをもとに振り返りや計画調整ができる学習管理アプリ。
学習の“見える化”を通じて、継続と改善を後押しする仕組みが特徴。

スタディプラスの画面には、勉強時間や教科ごとの学習量、達成状況がひと目で表示されます。

子どもはその数字を見ながら、「昨日は数学が少なかったから、今日は少し増やそう」と自分で学習計画を調整していました。

その自然なやり取りを見たとき、私はふと思ったのです。

「ああ、これも立派なデータ活用だな」と。

データ活用は、専門家だけが扱う特別なものではありません。

私たちは日常の中で、アプリや画面に表示される数字や情報を手がかりに、自然と行動を決めています。

企業のDXも、実はこの延長線上にあります。

まずは、日々の気づきを活かすことから始まるのです。

スタディプラスに見る、行動につながるデータの使われ方

スタディプラスの画面には、学習時間や教科ごとの進み具合に加えて、以下の情報が整理されて表示されます。

・今日どれだけ取り組んだか
・前日、前週と比べてどう変化しているか
・目標に対して現在どの位置にいるか

大切なのは、数字がただ並ぶのではなく、“次の一歩が判断できる形”に加工されていることです。

どれだけデータを記録しても、意味のある形に整理されなければ活かすことはできません。

スタディプラスが提供している価値は「記録すること」ではなく、「行動につながる可視化」をつくることにあります。

企業が最初につまずきやすいのも、「どんなデータを集めるか」よりむしろ、「集めた情報をどう使えば行動につながるのか」 という部分です。

スタディプラスの仕組みは、この問いに対して非常にシンプルな答えを示しています。

つまり、情報を “次の行動へつなげる形” に整えることこそが、データ活用の本質だということです。

そして、実際にデータ活用として成立するためには、次の3つがそろう必要があります。

・必要な情報が“見える”こと
・変化や傾向を“比べられる”こと
・その気づきが“行動に移せる”こと

この3つが備われば、それは立派なデータ活用になります。

私たちは日常の中で“すでに”データを使っている

日常を振り返ると、私たちは気づかないうちにデータを使っています。

天気予報はその象徴的な例です。

気温や降水確率、湿度といった“数字”を見て、服装を決めたり、洗濯をするかどうかを判断したりする。

つまり、私たちは毎日「数字(データ)を手がかりに判断する」という行為をすでに行っているのです。

この考え方は、企業の業務に置き換えても変わりません。

・売上の推移
・お客様からの問い合わせ件数
・作業時間の増減
・業務の滞留ポイント

こうした身近な数字を「見える化」できれば、仕事は今よりずっとラクになります。

データ活用とは、データサイエンティストになることでも、高度な分析ツールを扱うことでもありません。

判断を迷わないための“仕組み”を整えることにほかなりません。

“データ活用の第一歩は、手元の数字を整えること”

では、「最初の一歩」はどこから始めればよいのでしょうか。

答えはシンプルで、“いま手元にある情報を整理し、見える形にすること”です。

多くの企業では、すでにExcelや紙の帳票に日々の業務データが蓄積されています。

まずは、それらを一つの表にまとめるだけでも十分です。最初の一歩になるのは、次のような小さな行動です。

学習量の入力画面

・作業時間をざっくり記録する
・売上や問い合わせ件数を週ごとにまとめる
・“なんとなく忙しい日”をメモしておく

これだけでも、「どこに負荷がかかっているのか」「何に時間を奪われているのか」が見えてきます。

覚えておきたいのは、最初から完璧なデータは存在しないということです。

必要に応じて後から整えれば問題ありません。

データ活用は、「大掛かりなシステム導入」から始める必要はありません

むしろ、こうした“手軽な記録”から始めた方が、無理なく続けられます。

データが見えると、行動は自然に変わる

スタディプラスを使っている中高生に、「ふだん、どんな数字を見ながら勉強のしかたを調整しているのか」を聞いてみました。

今回、声を寄せてくれたのは、いずれも受験を目前に控えた受験生たちです。

日々の学習記録を振り返りながら、志望校との距離を意識し、ときに迷い、ときに手応えを感じている。そんな時期にいます。

ただ、話を聞いて印象的だったのは、数字に振り回されている様子ではありませんでした。

「今日は少し足りなかった」「この科目はもう一段伸ばしたい」といった小さな気づきを、淡々と、しかし確実に次の行動につなげている姿です。

彼らが日常の中で、どの数字を参考にし、どんな気づきを得て、どう行動を変えているのか。

以下は、今回のヒアリングで見えてきた、受験生たちのリアルな声を整理したものです。

日常で“見えている数字”にヒントがある

聞いたこと 中高生の具体的な声
よく見る数字は? 勉強時間 ・1週間の目標時間
どんな時に行動が変わる? 昨日足りなかったから、今日は多めにやろうと思える
役立つ機能は? 勉強時間の可視化 ・教材レビュー
あまり見ない情報は? 他人の勉強時間
気づいたことは? 日によってムラがすごいと分かった
可視化の効果は? 振り返りが楽 ・続けやすい

小さな気づきが行動をほんの少し変える

レミ
・足りない日が分かると、勉強時間を増やそうと思える
・努力が見えるとモチベーションが上がる
・気軽に記録できるので習慣が続きやすい

これらはいずれも、“データが行動のスイッチになる瞬間”です。

複雑な分析は必要ありません。

ただ“見える”だけで、行動は少し変わります。

その小さな変化が積み重なることで、やがて習慣として定着していくのです。

紙では見えない“流れの気づき”がデジタルで生まれる

1週あたりのレポート画面

紙で管理していたころは、記録そのものはできても、そこから傾向や全体像をつかむことは難しいという声が多くありました。

デジタルで可視化されるようになると、日々の記録が「点」ではなく「流れ」として理解できるようになります。

紙の手帳から、スタディプラスに切り替えた中高生からは、「グラフで見ると一週間の伸びが分かりやすい」「どの教科に偏っているかが一目で分かる」といった声が目立ちました。

紙とデジタルで何が変わるのかを整理すると、気づき方の質に大きな違いがあることが分かります。

観点 紙の手帳 スタディプラス(アプリ)
情報の見え方 その日の記録が中心で、全体像がつかみにくい 日・週・月の推移が自動で整理され、流れで見える
振り返りのしやすさ ページをめくりながら探す必要がある 期間別の振り返りがワンタップで完了
“ムラ”や“偏り”の把握 気づくまで時間がかかる グラフで一目で分かる
記録の手間 手書きのため書き漏れ・書き忘れが起きやすい 自動計測や簡単入力で記録が続きやすい
欠けている視点 比較・推移・傾向などの整理が難しい 自動で整理され、次の行動につながるヒントが得られる
データの活用度 “記録が中心”で終わりやすい 行動を変えるための気づきまで踏み込める

つまり、紙では“点の記録”にとどまるものを、デジタルでは“流れとして捉えられるようにする”という違いがあります。

身近な数字から始める、データ活用の入口

スタディプラスが日々の気づきを次の行動につなげているように、企業の業務にも、すでに多くのヒントが眠っています。

難しい仕組みは必要ありません。

いま手元にある数字を、少しだけ見えるように整えること。

その小さな一歩だけで、「どこに時間がかかっているのか」「どこを優先すべきか」が自然と見えてきます。

データ活用は、大きなプロジェクトではなく、こうした“日常の延長”から始まります。

まずは一つ、数字を整えてみること。

それが、無理なく続けられるデータ活用の入口になります。

レミ-上半身横向き
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