技術のネタ

エンジニアが戸建てのWi-Fi環境について、本気で調べて刷新してみた

菅野
こんにちは、システム開発部部長の菅野です

今回はプライベートな小ネタです。

最近家族から「Wi-Fiが遅い、切れる」といった苦情が増えてきたのと、リモートにより自宅のネット環境の重要度が上がったため、ネット環境を見直すことにしました

専門用語も出てくるので、すべての内容を理解できる方は少ないかもしれませんが、どうやって見直したかの雰囲気を知ってもらえればと思います。

見直し前の環境は、以下のとおりです。

  • プロバイダ:松阪ケーブルテレビ(1G光回線)
  • ルータ(Cisco841MJ) 5年前の製品を3年前に中古で購入
  • AP2F(CiscoWAP150) 5年前の製品を3年前に中古で購入
  • AP1F(NECAtermWG1200)10年前くらいに新品で購入

Cisco製品で固めてるのは、購入当時Cisco製品をいじってみたかったからです。

また、菅野家の利用状況はこんな感じです。

  • 接続台数は スマホ6台、PC2台、ゲーム2台、TV3台、Web(見守り)カメラ1台の合計14台
  • 常時5台くらいが同時接続されている
  • Wi-Fi6に対応してるのは自分のiPhoneSEのみ
  • 家は3階建てで、1Fと2Fの寝室には有線が無い(これ家建てた時の失敗その1)
  • - ONUは2Fの物置にある(これ家建てた時の失敗その2)

それでは、私がWi-Fiを見直した手順を順番に解説していきましょう。

菅野
「解説はいいからすぐにWi-Fi製品を選ぶときのポイントを知りたい」という人はまとめをご覧ください

まずは調査してみた|ネット環境の調子が悪い原因4つ

なぜネット環境の調子が悪いのか調査したところ、原因は以下4点でした。

ネット環境の調子が悪い原因

  1. Atermがたまにハング(フリーズとほぼ同義)して再起動が必要になる
  2. 2.4GHz帯が混雑している
  3. 841MJがボトルネックで70Mbpsくらいしか出てない
  4. 家族に「遅くなったらWi-FiをONOFFして」と言っても理解してもらえない

1は単純に寿命だと思います。

問題は2と3で、2に関しては、我が家は戸立てで部屋が多いため、基本的に接続は2.4GHzにして、壁を隔てての通信を前提にしていました。

しかし、家族が増え、接続台数が増えたことで2.4GHzだとスループット(速度)が全く出てなかったんです。

また、これは私の勉強不足でしたが、ビームフォーミングとかMIMOってacの技術だから、2.4GHzだとこの辺のメリットが全く受けれないというも問題でした。

3については、どうやらNAT設定入れるとCPUが100%になって、スループットが1Gから200Mくらいまで落ちるそうです。

NAT入れるとパフォーマンスが出ないって、FWとして致命的では…?

それ以外にもLAN側IPをデフォルトのClassA(10.0.0.0/8)からClassC(192.168.1.0/24)に変えることすらGUIで設定できない、という問題もあり、もうこの機種は買い替えかなと思いました。

4についてはリテラシーの問題ですが、これやってくれないと1Fと2Fの移動でAPが切り替わらないんですよね。

2Fにいて、遅いって言われたので見てみると、1FのWi-Fiにつないだままになっていた、みたいな。私の周辺知人でもこの問題は起こるようで、この問題はもう解決するのは不可能だと思いました。

4の問題がなければ中継機を入れる構成が視野に入るんですが、4を解決しようとするとメッシュWi-Fiを組むしかない、という結論にいたりました

メッシュWi-Fiとは
複数のルーター(アクセスポイント:AP)を組み合わせたネットワーク構成にすることで、家中どこでも電波が行き届き、安定して快適なネット環境を実現する技術

そこで、買い替えるためにいくつか製品を比較しました。

今回比較したメーカー8社

結論からいうと、ASUSのZenWiFiを購入しました。

以下、今回比較したメーカーです。

  1. - TP-Link(中国)
  2. バッファロー(日本)
  3. NEC(日本)
  4. エレコム(日本)
  5. Google(アメリカ)
  6. NETGEAR(アメリカ)
  7. Linksys(アメリカ)
  8. ASUS(台湾)

市場の状況は、おおむねスマホと同じような印象でした。

  • 中国製のTP-Linkは、価格と性能のコスパがダントツに良い
  • 台湾製のASUSは、そこそこの性能と品質のバランスが良い
  • 日本製はどれも性能と価格が中途半端
  • アメリカ製のNETGEARは、メッシュ対応Wi-Fiの先駆者。非常に高い

次に各製品の特徴についての詳細です。

中国製のコスパは圧倒的?ただし…

もし、生産国にこだわりが無いなら、TP-Linkが値段と性能で圧倒してるのでオススメです。

ただ、TP-Linkのメッシュに関しては少し注意が必要だと感じました。

まず、TP-Linkはメッシュシステムは、「メッシュ専用機であるDecoシリーズのメッシュ」と「独自メッシュシステムのOneMesh」の2種類あります。

そして、OneMeshは、次のような特徴があります。

  • ルーター+ルーターのメッシュではなく、ルーター+中継機のメッシュ
  • ルーターは1台のみで複数台のルーターで構成できない。つまり性能はルーター1台分のみ
  • Decoシリーズと併用(混在)できない
  • APモードでは動作しない

ということで基本的には、次のようなシーンにマッチするならアリかなと思います。

  • 同時接続数が少なく、性能的にはルーター1台分で十分
  • 部屋が複数あるなら、電波強度的にルーター1台だと厳しいから中継機が必要。ただ、普通の中継機だとSSIDの切り替えが面倒だからメッシュにしたい
  • ルーターは刷新する予定(既存ルーターを使うAPモードではなくルーターモードで使用)

ただ、要件にマッチするなら、おそらく最も安価にメッシュWi-Fiが構築できます。

私は最後までASUSにするかTP-Linkにするか悩みました。

結局、私の中では中国製は基本避けるスタンスなので、TP-Linkは除外しました

理由は、APモードが使えない点、中国製はHUAWEIやTikTokのように政治の影響を受けやすいこと、そして、Lenovoのような情報流出などを懸念があるためです。

日本製は中途半端な印象

日本製はどれも中途半端なのでやめました。

まず、バッファローのAirStationConnectは、Wi-Fi6に対応してないのでパスしました。

次に、NECのAtermはメッシュ対応されてるルーターの性能がイマイチなのでパスしました。

メッシュ以外のルーターは結構良い機種が多いんですけどねー。

今回壊れた製品も含め、今までずっとAtermシリーズを買っていましたし、Atermシリーズ自体には信頼感があるんですけど、性能、機能全て中途半端でした。

エレコムはまぁまぁよかったんですが、対応してる機種が1機種しかなく汎用性が低いのでパスしました。

アメリカ製はわずかに条件に合わなかった

次に、アメリカ製です。

まずGoogleのNest Wifi。実は、最初これを買うつもりでした。

ただ、発売が2019年と古くWi-Fi6に対応していないことと、有線バックホールが組めないのにトライバンドではなくデュアルバンドであることが理由で、購入するのをやめました。

絶対近いウチに、Wi-Fi6トライバンドに対応した新機種が出ると踏んでいます。

NETGEARメッシュWi-Fiの先駆者で、Orbiシリーズの評価が高いようです。

ただ、2台で7万オーバーと、いかんせん値段が高すぎます。

Linksysは、EasyMeshという異なるメーカーでもMeshが組める統一企画を採用してる唯一のメーカーです。

ですが、現状だとLinksysしか対応してないので、実質は他メーカーと同様に自社しか対応できない状況になっています。

あとLinksysって、Ciscoに買収されたあと、またベルキンに売却される、という経緯があり、企業自体に安心感が無く除外しました。

今回調査したアメリカ製Wi-Fiは、どれも悪くはないのですが、今回の私の条件に合いませんでした。

バランスのとれたASUSのAiMeshを購入

そして、候補で残ったのがASUSですが、こう書くと消去法で選んだ感じになっちゃいますね…

しかし、ASUSのAiMeshがとても魅力的だったのが、購入を決めた大きな要因のひとつです。

ASUSのAiMeshは、ASUSのほぼ全てのルーターで採用されています。

つまり、ASUSはどのルーターの組み合わせでもメッシュが組めるんです。

なので自分の状況にあった製品の組み合わせでメッシュが組める、というのがかなり良いです。

後々ルーターを買い足したり、買い替えたりしてメッシュを組み直すことができます。

ということで、私はメインルーターとしてリビング用にZenWiFi AX(XD4)を2台、利用頻度が低いかわりに有線LANが無い寝室2部屋用にLyra Trioを2台、計4台購入しました。

4台で約3万円とかなりリーズナブルです。

ちなみに我が家は完全2世帯住宅なので、リビングも寝室も2部屋あります。

あと、ASUSはスマホZenFone3がかなり気に入ってましたし、20年以上前からマザーボードでお世話になってたメーカーです

なので、そもそもASUSが好き、というのも理由のひとつになってます。

【まとめ】戸建てWi-Fi環境について

今回わたしがWi-Fi製品を購入するのに、選定ポイントとなったのは、以下5点です。

今回のWi-Fi製品の選定ポイント

  1. 中国製(TP-Link)を良しとするのかどうか
  2. 部屋の広さと壁の多さ
  3. 接続台数と必要な帯域(要は動画やゲームといったヘビーに帯域使う端末がどのくらいあるのか)
  4. 有線LANがどのくらい使えるのか
  5. 予算は2万〜7万円のどこまで出せるか

ASUSにするにしても、必要帯域が大きくて、かつ、有線LANが使えない状況なら、デュアルバンドであるXD4ではなく、トライバンドの上位機種であるXT8にした方が良いです。

ただ、価格は倍しますけどね…。

以上が菅野家のネット環境改善の内容です。

この記事は、もともと社内Slackの雑談でつぶやいた内容がベースになっています。

その後、何人かにネット環境について相談されましたが、まずは、以下ポイントを押さえておいた方が良いかと思います。

選定で考慮した方が良いポイント

  1. 今は何が問題なのか?
  2. 解決したい問題の優先度
  3. 予算
  4. 家の間取り
  5. ネットの利用状況(特に何にネットを使ってるのか)

まぁ、これは家探しで不動産屋さんへ行ったり、家電買いに量販店へ行ったりするときと同じですけどね。

これらの情報が揃わないと正しいアドバイスはできません。

今回の記事は、あくまで「菅野家」の状況にあったWi-Fi環境づくりの話しですが、誰かの参考になればさいわいです。

MieL編集部
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